Author: 北虎 あきら

Ambiguity/北虎あきら

降る雪をおぼえず雪の降っていたことをこころの母神に見せる てめえだろ   の にぶい電車を 横切らすうちに 不快ですまでにはなった おまえはピアスだらけの女を選ぶよと言われたときに光る水星 靴下のくるまりたがる苦しさを冬の袋小路に嘔吐いた ねむるまでゆれるからだの 凪いでいる海をわかるのはかもめだけ 小気味よく撮ってくれてた軒先のパラパラ漫画みたいにぼくだ 伏線の回収のためにうたう歌 あなたが握るならとおくコーラス 春がすみ澄みきるまでをまなうらのどうしても忘れる飛行船 ほろぼす、と決めてからやる仕事にはChillLo-fiJazzHopでちょうど 間奏のなかをとどかなかったからあかるいテロップに目をやった 思い出すようにおぼろの遠くから立体になる東京タワー 公園通りゆけばこの世は名前からわからなかった種類の楽器 幽霊の話がしたい Googleにゆうぐれをたくさん見せてもらう 動かないまでもことばを揺らさねばブランコの底に水溜まり 浴槽の水面から目をゆるめるとおおきくなるほくろ 腰骨の 北虎 あきら会社員。誠実と素直。